11/3(火)、TOKYOプレミア2020部門『ポゼッサー』ブランドン・クローネンバーグ監督と、オンラインで接続、Q&Aを行う企画“TIFFトークサロン”が行われました。監督が“TIFFトークサロン”参加者からの質問に答え、監督のいるトロントとのQ&Aとなりました。
⇒作品詳細
登壇ゲスト:ブランドン・クローネンバーグ監督
モデレーター:矢田部吉彦シニア・プログラマー
トロントと、東京のスタジオをオンラインで繋いだ生中継となった今回の“TIFFトークサロン”。
デヴィッド・クローネンバーグを父に持つ、ブランドン・クローネンバーグ監督の第2作『ポゼッサー』は、執拗なバイオレンス描写とともに、遠隔で人をコントロールし暗殺を実行する女と、人格を乗っ取られる男の攻防を鮮烈なビジュアルで描いた作品です。
日本に来たかったという監督は、現在の世界が置かれた状況について、“解釈が難しい”と語りつつ、驚きつつも“面白い”と思ってしまう部分もあると答えました。
異色とも呼べるこの作品の発想は前作のプレスツアーで世界を旅している際に、ご自身が、“ある役割を演じさせられているような、自分が自分の人生を生きていないような妙な感覚に襲われた”時に得たそうです。
“自分が乗っ取られているのか、いないのか、自分でも自覚していない人物を描く”ということをテーマに、そこにSF要素を加えて作品となっていったと経緯を語りました。
企業が人類に与える影響について監督も危惧されているのかを問われた際は、“そう言って良いと思う”と答え、“企業が、Facebookをはじめとする各SNSが、人類に、心理的にも、人間同士のコミュニケーションにも与える企業の影響を、私たちは理解し始めたばかりではないでしょうか”と答えました。
数々の作品を衝撃作を発表し続ける父、デヴィッドについて訊かれると、“皆様、私と父の関係に興味があるようで、よく尋ねられますが、私自身はそれほど興味はありません”と回答。作品同士の関連性についても、“父の作品も自身の作品についても、近すぎるあまり客観的に評価をすることが出来ません。自分に正直に衝動に任せて興味の赴くままに制作しています。父と自分の作品について、観客の皆さんがどのような関連を見出すのだろう、ということは、考えたことがありません”と語ってくれました。
その他、作品制作について、細部へのこだわり、キャスティングについて等、多くをお話しいただいた充実のTIFFトークサロン。
ぜひ、動画でもお楽しみください!
☆TIFFトークサロン連日開催中!質問が出来る、Zoom参加のお申込みは開催前日の朝9時まで。
⇒一覧はコチラ