部門紹介
昨年まで実施していた「コンペティション」、アジアの新鋭監督を集めた「アジアの未来」、日本映画の気鋭作品をそろえた「日本映画スプラッシュ」の3部門を今年は1つの部門に統合、「TOKYOプレミア2020」とし、様々な賞を競う形ではなく、その中の全作品を対象に観客の皆様に投票していただく「観客賞」を設けることといたしました。今年2020年は観客の皆様が主役です。
TOKYOプレミア2020 部門
TOKYOPremier2020

ワールド・プレミアやアジアン・プレミアの作品を中心に、内外の個性豊かな監督による新作の披露を観客と共に祝福するショーケース部門。日本、アジア、欧米といった地域のバランスは保ちながら、従来のコンペ3部門の選定視点も残し、32本のプログラムを予定しています。全体のラインナップとしては、全作品が監督のキャリアに関わらずフラットに並び、世界から集まった映画の多様性が持つ面白さを観客に味わってもらうことを目的とします。

第33回東京国際映画祭 作品選定コミッティメンバー

本年は上映作品の選定にあたっては、幅広い知見・人脈と多様な価値観を有する外部専門家の協力を頂き、委員会制の合議の下に進めることといたしました。

観客賞について

「TOKYOプレミア2020」部門の全作品を対象に、観客の皆さまから投票を募り、最も多くの支持を得た1作品を表彰いたします。

*東京グランプリをはじめとした従来の各賞の審査・表彰はございません。

特別招待作品 部門
Special Screenings

日本公開前の最新作をプレミア上映する特別招待作品は、大作や話題作が揃う華やかな部門です。作品ゲストの参加も多数予定しており、会期中に開催されるイベントを大いに盛り上げます。

Japan Now 部門
Japan Now

日本映画の今を俯瞰する今年のJapan Now 部門は、深田晃司監督を特集します。深田監督は、現実に生きる私たちと世界との関係性をスクリーンと観客の関係性として表現する稀有な監督です。初期作品から最新作『本気のしるし《劇場版》』まで短編特集を含め5作品、先の見え難い今こそ、きちんと社会と地続きの映画に接するべき時です。

ワールド・フォーカス 部門
World Focus

世界各国・地域の映画祭出品作や話題作から日本公開が未決定の外国作品、そして海外映画祭に出品されて話題となった日本映画も取り上げます。今年は台湾特集を実施し、昨年開始したラテンビート映画祭とのコラボレーション企画も継続します。 TIFF開催後に多くの作品の日本公開が決定する「ワールド・フォーカス」は世界の話題作のショーケースとしての役割を果たしていきます。

ジャパニーズ・アニメーション 部門
Japanese Animation

本年は、日本のアニメーション・VFXから生まれ、世界に羽ばたいたキャラクターにフォーカスします。アニメーションでは『劇場版『ポケットモンスター』』、VFXでは、生誕45周年を迎えたシリーズ『秘密戦隊ゴレンジャー』を中心に、スーパー戦隊シリーズを特集上映。さらに<アニメ映画の現在>を知ることのできる特集も行います。

日本映画クラシックス 部門
Japanese Classics

本年は国際交流基金の協力のもと、天才・山中貞雄の現存する3作品を修復。そして巨匠・稲垣浩の不朽の名作が美しく蘇ります。全てが日本映画史上の最高傑作と言っても過言ではない、今年の日本映画クラシックスにご期待ください。

ユース 部門(TIFF チルドレン/ TIFF ティーンズ)
Youth (TIFF Children / TIFF Teens)

少年少女に映画の素晴らしさを体験してもらう部門です。「TIFFティーンズ映画教室2020」は、中学生たちがリモートで集まり、映画を作り、その驚くべき成果をスクリーンで発表します。「TIFFチルドレン」は小学生を対象に、サイレント映画の名作をパフォーマンス付きでお届けします。こどもたちはもちろん、親の世代も楽しめること必至です。「TIFFティーンズ」は国際映画祭で評価された作品の中から、若者を主人公に持ち、高校生世代に刺激を受けてもらいたい秀作を上映します。大スクリーンで見る映画の迫力や美しさ、そして世界の広さを楽しみながら経験することで、未来の映画ファンがここから育っていくはずです。

第33回東京国際映画祭
作品選定コミッティメンバー
※50音順

Selection Committee Members for the 33rd TIFF
早稲田大学名誉教授

安藤紘平(あんどう こうへい)

青年時代、寺山修司に師事。繊細で独創的な表現力で知られる映像作家。ハイビジョンを使っての作品制作では世界的な先駆者。多数の作品で、ハワイ国際映画祭銀賞、モントルー国際映画祭グランプリなど数多く受賞。パリ、ニューヨーク、ロサンゼルス、東京などの美術館に作品収蔵。2001、 2005年パリにて安藤紘平回顧展開催。早稲田大学名誉教授。

安藤紘平
東京国際映画祭シニア・プログラマー

石坂健治(いしざか けんじ)

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石坂健治
映画プロデューサー

市山尚三(いちやま しょうぞう)

1963年生まれ。松竹、オフィス北野をベースに主に海外の映画作家の作品をプロデュースする。主な作品にホウ・シャオシェン監督の「フラワーズ・オブ・シャンハイ」(1998)、カンヌ映画祭審査員賞を受賞したサミラ・マフマルバフ監督の「ブラックボード」(2000)、カンヌ映画祭脚本賞を受賞したジャ・ジャンクー監督の「罪の手ざわり」(2013)等がある。また1992年から1999年まで東京国際映画祭の作品選定を担当。また、2000年に映画祭「東京フィルメックス」を立ち上げ、ディレクターを務める。2013年より東京藝術大学大学院映像研究科の客員教授。2019年、川喜多賞受賞。

市山尚三
映画ジャーナリスト

金原由佳(きんばら ゆか)

大学卒業後、リース会社で映画の投資案件に関わったことを契機に映画の道へ。1990年代から日本映画を軸に数々のインタビュー、作品評を手掛ける。著書に映画における少女性と暴力性を考察した評論集「ブロークン・ガール―美しくこわす少女たち」(フィルムアート社)、美術監督・種田陽平との共著で、日本映画の黄金期を支えた美術監督のインタビュー集「伝説の映画美術監督たち×種田陽平」(スペースネットワーク)。キネマ旬報社「アクターズ・ファイル」シリーズでは浅野忠信、妻夫木聡、永瀬正敏のロングインタビューを担当。

金原由佳
映画ジャーナリスト・編集者

関口裕子(せきぐち ゆうこ)

東京学芸大学卒。「キネマ旬報」取締役編集長、米エンタテインメントビジネス紙「VARIETY」の日本版「バラエティ・ジャパン」編集長などを歴任。総務省知的財産戦略本部コンテンツ・ライセンス会議、文化庁助成金会議、文化庁映画振興に関する懇談会、企業メセナ会議、国際映画祭審査委員、芸術文化振興会映画祭部門主査、文化庁芸術選奨選考審査員、毎日映画コンクール審査員などを務める。

金原由佳
東京国際映画祭シニア・プログラマー

矢田部吉彦(やたべ よしひこ)

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矢田部吉彦
東京国際映画祭シニア・プログラマー
※50音順

TIFF Senior Programmer

石坂健治(いしざか けんじ)

早稲田大学大学院で映画学を専攻し、アジア映画、ドキュメンタリー映画に関する研究・批評活動を開始。1990年より2007年まで国際交流基金専門員としてアジア中東映画祭シリーズを企画運営。2007年の第20回TIFFより現職。2011年開学の日本映画大学教授・映画学部長を兼職。著書に『躍動する東南アジア映画 多文化・越境・連帯』(論創社)など。

矢田部吉彦(やたべ よしひこ)

フランス・パリ生まれ。スイス育ち。日本興業銀行(現みずほ銀行)に勤務。退職後、映画の配給、宣伝を手がける一方、ドキュメンタリー映画のプロデューサーおよびフランス映画祭の運営に携わる。その後、東京国際映画祭に入り、上映作品の選定を行う作品部の統括を担当。同時に「日本映画・ある視点」(第17~25回)、「日本映画スプラッシュ」(第26回~)部門のプログラミング・ディレクターも務める。映画祭の生え抜きスタッフとして、2007年から「コンペティション」部門のプログラミング・ディレクターに就任

東京国際映画祭プログラマー
※50音順

TIFF Programmer

遠藤麻早美(えんどう まさみ)

金子由紀(かねこ ゆき)

安田久美子(やすだ くみこ)

「ジャパニーズ・アニメーション」部門 プログラミング・アドバイザー
Japanese Animation Section Programming Advisor

藤津亮太(ふじつ りょうた)

アニメ評論家。1968年、静岡県生まれ。新聞記者、週刊誌編集を経て、2000年よりアニメ関係の執筆を始める。東京工芸大学非常勤講師。主な著書に『チャンネルはいつもアニメ』(NTT出版)、『プロフェッショナル13人が語る わたしの声優道』(河出書房新社)、『ぼくらがアニメを見る理由』(フィルムアート社)などがある。

藤津亮太
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