新型コロナウイルスの影響で、今世界中の人々が歴史に刻まれる程の困難な日々を過ごしています。
映画の世界でも、映画館の休館、作品の公開延期、映画製作の中止等が世界中で相次ぎ、また多くの映画祭が開催延期や中止に追い込まれ、映画業界全体を先の見えない不安が覆っています。
こうした状況の中、東京国際映画祭では、10月31日の開催に向けて予定通り作品エントリーを開始すべきか悩み、議論を重ねて参りましたが、こんな時期だからこそ、開催に向けての準備を前向きに進めていくべきとの結論に至りました。
映画祭は、映画関係者と映画ファンが一緒になって映画を観る喜びを共有する場所です。映画に関わる人たちが交流し、刺激し合う場所です。そして、新しい才能が見出され、顕彰され、世界に羽ばたく舞台を得る場所です。この素晴らしい場所の在り処を示す明かりはしっかりと灯したままにしておきたいと言う思いからです。
勿論、映画祭の開催には、参加される映画関係者や映画ファン、そしてそこで働くスタッフの安全が確保されていることが絶対条件です。
従って、今後の感染状況の推移次第で、その絶対条件が保証されない状況となれば、躊躇なく延期や中止を含めた様々なオプションを検討するつもりですが、今は、命を危険に晒しながら懸命に努力されている医療関係者の皆様、そしてこの困難な状況を辛抱強く耐え忍んでいる人々の苦労が報われて、10月末の映画祭の開催に向けて事態が収束することを強く祈っています。