登壇したイシグロキョウヘイ監督
アニメ音楽レーベル「フライングドッグ」設立10周年を記念したアニメーション作品『
サイダーのように言葉が湧き上がる』が11月3日、第33回東京国際映画祭の「ジャパニーズ・アニメーション」部門で上映され、イシグロキョウヘイ監督がティーチインに出席した。
今作は郊外のショッピングモールを舞台に、人とコミュニケーションをとることが苦手だが俳句作りが好きな少年と、自身のコンプレックスをマスクで隠しながら動画配信を行う少女とのひと夏の青春を描いた作品。
イシグロ監督は観客たちと一緒に作品を鑑賞。上映後に行われたティーチインでは、なぜショッピングモール、音楽、俳句という異色のモチーフを組み合わせたのかについて質問が及んだ。イシグロ監督は「今作のすべてのモチーフは音楽からインスピレーションを受けている。そこから派生してまず俳句にたどり着いたが、ラッパーのいとうせいこうさんと俳人の金子兜太さんの対談本の中で、ヒップホップやラップといった音楽的なルーツが俳句にはあるという部分からだった。それを現代で表現するために、郊外にあるショッピングモールが浮かび、イラストレーター・鈴木英人さんのイラストのノスタルジックなスタイルで描こうと決めた」と明かし、音楽好きな一面をのぞかせた。
今作で声優を務めた市川染五郎(8代目)と杉咲花のキャスティングは、「杉咲さんは今作を作っているときから頭に浮かんでいた。染五郎さんについては、実は他の俳優、声優が候補に挙がっていた。だがキャラクターの内面を深く掘り下げていくうちに、10代ならではの少年と大人のはざまを演じられる同年代の人が良いと思った。そして今作の配給元の松竹といえば歌舞伎。実際に染五郎さんの歌舞伎の芝居を見たときに「この人だ!」と確信した」と裏側を明かした。
劇中に登場するキャラクターの裏話に関して質問があると、イシグロ監督がYouTubeに「サイコトちゃんねる」を開設し、キャラクターを含めた作品の前日談の動画を今作公開直前まで配信することを発表。さらに、作品の新たな公開日が2021年6月25日に決定したことも伝えられた。サプライズの発表に会場からは大きな拍手が上がった。
最後にイシグロ監督は、「若者に向けて作った作品だが、劇中に描かれている物の中には自分と同じ1980年代世代の人たちにも懐かしく思ってもらえる要素もある。現在のコロナ禍の状況で、劇場に来ていただくことが大きな喜びになっている。ぜひ、来年の公開にも劇場に足を運んでほしい」とアピールした。
第33回東京国際映画祭は、11月9日まで開催。
登壇したイシグロキョウヘイ監督
アニメ音楽レーベル「フライングドッグ」設立10周年を記念したアニメーション作品『
サイダーのように言葉が湧き上がる』が11月3日、第33回東京国際映画祭の「ジャパニーズ・アニメーション」部門で上映され、イシグロキョウヘイ監督がティーチインに出席した。
今作は郊外のショッピングモールを舞台に、人とコミュニケーションをとることが苦手だが俳句作りが好きな少年と、自身のコンプレックスをマスクで隠しながら動画配信を行う少女とのひと夏の青春を描いた作品。
イシグロ監督は観客たちと一緒に作品を鑑賞。上映後に行われたティーチインでは、なぜショッピングモール、音楽、俳句という異色のモチーフを組み合わせたのかについて質問が及んだ。イシグロ監督は「今作のすべてのモチーフは音楽からインスピレーションを受けている。そこから派生してまず俳句にたどり着いたが、ラッパーのいとうせいこうさんと俳人の金子兜太さんの対談本の中で、ヒップホップやラップといった音楽的なルーツが俳句にはあるという部分からだった。それを現代で表現するために、郊外にあるショッピングモールが浮かび、イラストレーター・鈴木英人さんのイラストのノスタルジックなスタイルで描こうと決めた」と明かし、音楽好きな一面をのぞかせた。
今作で声優を務めた市川染五郎(8代目)と杉咲花のキャスティングは、「杉咲さんは今作を作っているときから頭に浮かんでいた。染五郎さんについては、実は他の俳優、声優が候補に挙がっていた。だがキャラクターの内面を深く掘り下げていくうちに、10代ならではの少年と大人のはざまを演じられる同年代の人が良いと思った。そして今作の配給元の松竹といえば歌舞伎。実際に染五郎さんの歌舞伎の芝居を見たときに「この人だ!」と確信した」と裏側を明かした。
劇中に登場するキャラクターの裏話に関して質問があると、イシグロ監督がYouTubeに「サイコトちゃんねる」を開設し、キャラクターを含めた作品の前日談の動画を今作公開直前まで配信することを発表。さらに、作品の新たな公開日が2021年6月25日に決定したことも伝えられた。サプライズの発表に会場からは大きな拍手が上がった。
最後にイシグロ監督は、「若者に向けて作った作品だが、劇中に描かれている物の中には自分と同じ1980年代世代の人たちにも懐かしく思ってもらえる要素もある。現在のコロナ禍の状況で、劇場に来ていただくことが大きな喜びになっている。ぜひ、来年の公開にも劇場に足を運んでほしい」とアピールした。
第33回東京国際映画祭は、11月9日まで開催。