2020.11.03 [イベントレポート]
宮藤官九郎『おらおらでひとりいぐも』で寂しさ役「選ばれて誇りに思う」
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青木は英訳で『ロンリネス2』と紹介され爆笑

第33回東京国際映画祭の「特別招待作品」『おらおらでひとりいぐも』が11月3日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、出演の青木崇高、宮藤官九郎と沖田修一監督が舞台挨拶に登壇した。

青木と宮藤は濱田岳と3人で、田中裕子演じる主人公・桃子さんの心の声を体現する「寂しさ」1~3役。青木は、英訳で『ロンリネス2』と紹介されたことに爆笑しつつ「1、2、3でふざけるように楽しんでいた。監督のつくった世界観、空気の中で遊んでいましたね」と満足げ。全員が田中と同様の衣装だったため、「黒子のような感じだと思っていたら、衣装合わせで僕のサイズのバカでかい衣装があってこうくるのかと」と納得の表情で振り返った。

宮藤は、田中がベテラン女優という認識はありながら「それなりに緊張していたけれど、セットに入ると既に桃子さんが座っているので自然だなあ。途中からは4人組みたいな気持ちになっていた」と笑顔。「寂しさ役に選ばれたことを誇りに思います。何といっても概念ですから。寂しさを演じられるのはこの3人しかいない」と自信のほどをうかがわせた。

沖田監督は、「イメージは白雪姫の7人のこびとで、ふざけてもらいながらいなくなった時に相反するように桃子さんの孤独が表現できればと思った」と意図を説明。「田中さんがリラックスされていたので、3人が同じ衣装で集まっただけで自然に現場が動いていった」と手応えを語った。

この日は舞台挨拶前に田中、青木、宮藤によるてい談が行われたそうで、宮藤が「きょうが一番、田中裕子だった」と告白。その様子を見ていたという沖田監督も、「あっ、田中裕子さんだと思いましたね」と同調し、会場の笑いを誘っていた。

『おらおらでひとりいぐも』は、11月6日から全国公開。第33回東京国際映画祭は11月9日まで開催。
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