第33回東京国際映画祭のオープニングセレモニーが10月31日、東京国際フォーラムで行われ、フェスティバルアンバサダーの役所広司、「Japan Now」部門で特集される深田晃司監督らが顔をそろえた。また、ロバート・デ・ニーロ、クリストファー・ノーラン監督、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督、カンヌ国際映画祭総代表であるティエリー・フレモ―氏が
ビデオメッセージを寄せ、コロナ禍での開催にエールをおくった。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けながらも、フィジカルな上映を基本として実施し、3部門を統合した「TOKYOプレミア2020」が主軸となった東京国際映画祭。例年通りの六本木ヒルズアリーナでのレッドカーペットは、東京国際フォーラムのロビーに場所を移し、各作品のゲストが開幕を盛り立てた。
役所は「今回の映画祭の開催は、今までとは違う形ですので、実行委員の皆さんによる準備はとても大変だったと思います。気の抜けない開催期間となりますが、観客の皆さんと頑張っていきたいと思います」と挨拶。「スクリーンで映画を見れるということは、映画ファンにとっては最高のプレゼント。コロナ禍での開催というのは、今後に生かせるんじゃないかと思います。コロナと共存しなければならないのであれば、なんとか知恵を絞り“映画のために”映画祭を続けていきたい」と思いの丈を述べた。
また“映画の力”について問われると「子どもの頃から映画を経験し、無意識のうちに、たくさんのことを教わったような気がしますね。劇映画は、演劇、音楽、美術、文学といった要素が融合した時、暗闇の中でゾクゾクとした感動が芽生える。その記憶というのは、僕自身の生きる力になっている気がします。一方、ドキュメンタリー映画は事実の記録から強烈なメッセージがある。時代を変えるような凄い力があると思っています」と語った役所。「日本映画は素晴らしい先輩たちがいて、世界中の人々を魅了して、熱狂させてきました。この東京国際映画祭も、そういう先輩たちに恥じないような、素晴らしい映画祭に成熟していくことを心から願っています」と胸中を吐露していた。
深田監督は、「よこがお」「淵に立つ」の筒井真理子、「本気のしるし 劇場版」の森崎ウィンとともにステージに登壇。特集上映のラインナップについて「自作を全く見たことがない人にとっての入門的な作品群」と説明。森崎は「『本気のしるし』は、“共感度0.1%”の作品。初めて台本を読んだ際、僕自身も0.1%に満たないほど共感できなかった。撮入前、深田監督とコミュニケーションをとり、キャラを構築していったんですが……気づいたら“深田ワールド”にのめり込んでいました」と述懐する。
一方、筒井は深田作品の魅力について「そんなに痛くない(針が)細い注射をしているのに、だんだんと体がしびれてくるようなイメージ。自分でも見たことのない表情を切りとってくださります」と語る。「普通の日常を過ごしていたつもりなのに、グラグラと地面が揺れて、裂け目に落ちていくような……。『あなたが見ていることは、本当のことですか?』と問いかけられ、柔らかいナイフで刺されている。そういう快感があって、演じていても、作品を拝見しても面白いなと思っています。中毒になるような感じです」と語っていた。
深田監督は「コロナ禍という大変な時期に開催できたということが、奇跡のようなことだと思っています。今、日本では『鬼滅の刃』が大ヒットし(映画界が)活力を取り戻そうとしています。この大ヒットはスタッフ、出演者の皆さん、ムーブメントを作り出したお客さんのおかげ。この業界の末席にいる人間のひとりとして、御礼申し上げたいと思います」と告白。「一方で多様性を守るということについて、国際映画祭というのは非常に重要。多様性を守る“砦”だと思っています。無事に、安全に配慮しながら、映画祭を運営するスタッフの皆さんに感謝いたします」と謝意を示していた。
第33回東京国際映画祭のオープニングセレモニーが10月31日、東京国際フォーラムで行われ、フェスティバルアンバサダーの役所広司、「Japan Now」部門で特集される深田晃司監督らが顔をそろえた。また、ロバート・デ・ニーロ、クリストファー・ノーラン監督、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督、カンヌ国際映画祭総代表であるティエリー・フレモ―氏が
ビデオメッセージを寄せ、コロナ禍での開催にエールをおくった。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けながらも、フィジカルな上映を基本として実施し、3部門を統合した「TOKYOプレミア2020」が主軸となった東京国際映画祭。例年通りの六本木ヒルズアリーナでのレッドカーペットは、東京国際フォーラムのロビーに場所を移し、各作品のゲストが開幕を盛り立てた。
役所は「今回の映画祭の開催は、今までとは違う形ですので、実行委員の皆さんによる準備はとても大変だったと思います。気の抜けない開催期間となりますが、観客の皆さんと頑張っていきたいと思います」と挨拶。「スクリーンで映画を見れるということは、映画ファンにとっては最高のプレゼント。コロナ禍での開催というのは、今後に生かせるんじゃないかと思います。コロナと共存しなければならないのであれば、なんとか知恵を絞り“映画のために”映画祭を続けていきたい」と思いの丈を述べた。
また“映画の力”について問われると「子どもの頃から映画を経験し、無意識のうちに、たくさんのことを教わったような気がしますね。劇映画は、演劇、音楽、美術、文学といった要素が融合した時、暗闇の中でゾクゾクとした感動が芽生える。その記憶というのは、僕自身の生きる力になっている気がします。一方、ドキュメンタリー映画は事実の記録から強烈なメッセージがある。時代を変えるような凄い力があると思っています」と語った役所。「日本映画は素晴らしい先輩たちがいて、世界中の人々を魅了して、熱狂させてきました。この東京国際映画祭も、そういう先輩たちに恥じないような、素晴らしい映画祭に成熟していくことを心から願っています」と胸中を吐露していた。
深田監督は、「よこがお」「淵に立つ」の筒井真理子、「本気のしるし 劇場版」の森崎ウィンとともにステージに登壇。特集上映のラインナップについて「自作を全く見たことがない人にとっての入門的な作品群」と説明。森崎は「『本気のしるし』は、“共感度0.1%”の作品。初めて台本を読んだ際、僕自身も0.1%に満たないほど共感できなかった。撮入前、深田監督とコミュニケーションをとり、キャラを構築していったんですが……気づいたら“深田ワールド”にのめり込んでいました」と述懐する。
一方、筒井は深田作品の魅力について「そんなに痛くない(針が)細い注射をしているのに、だんだんと体がしびれてくるようなイメージ。自分でも見たことのない表情を切りとってくださります」と語る。「普通の日常を過ごしていたつもりなのに、グラグラと地面が揺れて、裂け目に落ちていくような……。『あなたが見ていることは、本当のことですか?』と問いかけられ、柔らかいナイフで刺されている。そういう快感があって、演じていても、作品を拝見しても面白いなと思っています。中毒になるような感じです」と語っていた。
深田監督は「コロナ禍という大変な時期に開催できたということが、奇跡のようなことだと思っています。今、日本では『鬼滅の刃』が大ヒットし(映画界が)活力を取り戻そうとしています。この大ヒットはスタッフ、出演者の皆さん、ムーブメントを作り出したお客さんのおかげ。この業界の末席にいる人間のひとりとして、御礼申し上げたいと思います」と告白。「一方で多様性を守るということについて、国際映画祭というのは非常に重要。多様性を守る“砦”だと思っています。無事に、安全に配慮しながら、映画祭を運営するスタッフの皆さんに感謝いたします」と謝意を示していた。